年末年始の伐採作業で、たくさんのワイヤーを切ってしまいました。
参考記事>>チルホール地獄、1時間巻き続けてようやく倒れたアカマツ
補充しなければなりませんので、ワイヤーの輪っか、
アイスプライス
を編みたいと思います。
サバイバル技術としてのワイヤー編み
![ワイヤークリップ](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0689-1024x768.jpg)
簡単にワイヤーに輪っかを作るには、ワイヤークリップが2つあれば作れます。
わたしも、愛犬のドッグランでは、これで輪っかを作ってとめています。
参考記事>>ラブラドールレトリバー”ジーニー”をワイヤー式ドッグランで飼う 山暮らしの防犯対策は?
しかし、ワイヤークリップで作った輪っかを使って、チルホールけん引した際、輪っかがすぼまって、ぬける寸前だったことがあります。静荷重では問題ないんですが、
ものを引っ張るのには危険です。
また、市販されている、玉掛けワイヤーでは、必要な長さが得られない場合もあります。
とくに、チルホール用の玉掛けワイヤーとか。
10メートル以上は欲しいです。
自分で編めば、好きな長さが作れます。
さらに、東日本大震災の際、本格的な救助活動がまだ来ない中、
電柱から切断したワイヤー(感電に注意)
を、手工具のみで切り取り、編んで、障害物を車でけん引してどかしながら、救助に向かった人の話を聞いたことがあります。
サバイバルの技術として、覚えておいて、損はないです。
必要なもの
![ワイヤー編みに必要なもの](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0656-1024x768.jpg)
- ワイヤー(今回は12ミリ)
- ワイヤーカッター・ストランドカッター
ない場合は、サンダーでも切断可能 - シノ、特にワイヤー差しが便利。ロープ編みにもつかえます。
- スケール・サインペン
- ハンマー
フレミッシュ加工
ワイヤーの編み方には、
- まき差し
- えび差し
- かご差し
などがありまして、上から順に、むずかしくなっていき、かつ丈夫になっていきますが、今回は一番簡単な
まき差し
で、編みたいと思います。
どの編み方で編むにしても、最初は
フレミッシュ加工
が必要です。
![必要な長さ](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0658-1024x768.jpg)
まず、アイスプライスに必要な長さを、サインペンでマークします。
今回の12ミリのワイヤーですと、
- 差ししろ、30㎝(ここにマーク)
- 輪っか部分、70㎝
- 合計、100㎝程度(ここにもマーク)
必要です。
![ストランドをばらす](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0659-1024x768.jpg)
マークした、1メートルの部分まで、ワイヤーのストランドを
3本ずつ
にばらします。
一方には、芯にロープが入っています。
![芯のロープがあるほうを曲げる](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/TRIPART_0001_BURST20210207131913115_COVER-1024x768.jpg)
芯のロープがあるほうを曲げて、30㎝にマークした部分を1メートルのしるしのところに挟み込みます。
それぞれの位置に注意。
![芯に巻き付けていく](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0660-1024x768.jpg)
輪っかにした芯のある方に、芯のないほうを巻き付けていきます。
芯のロープが隠れるように、根元から巻き付けていくときれいに巻けます。
![フレミッシュ加工おわり](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0661-1024x768.jpg)
フレミッシュ加工終わり。
芯のある方が上、ないほうが下になりました。
まき差し開始
![芯をばらす](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0663-1024x768.jpg)
芯があるほうを左上にして、芯のロープをここまでばらします。
![最初はここにシノを差す](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0665-1024x768.jpg)
まず最初に、この位置にシノを差します。
![半周まわします](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0666-1024x768.jpg)
シノを半周まわします。
回すと同時に、上の方にぐりぐりと送っていきます。
芯のロープは、一緒に巻き込まれていきます。
![一本ばらします](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0667-1024x768.jpg)
シノに一番近いストランドを1本ばらし、シノの手前側に差し込みます。
![根元まで引っ張る](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0668-1024x768.jpg)
根元まで引っ張りこみ、差し込んだストランドを手前につよく引っ張ります。
基本は半周回して差し込むだけです
![半周回す](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0669-1024x768.jpg)
シノは差し込んだまま、ぐりぐりを半周回し、ひっくり返します。
![2回目の差し込み](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0677-1024x768.jpg)
2回目の差し込み。シノの手前側に差し込みます。
これを、4回繰り返します。
![4回目完了](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0678-1024x768.jpg)
1本目、4回差し終了。
2本目も3本目もこの繰り返し
![2本目の最初](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0679-1024x768.jpg)
2本目の差し始め。差すストランドは、次にシノに近いやつです。
![2本目のストランド](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0680-1024x768.jpg)
2本目も根元まで差しこみ、手前に強く引っ張ります。
これも4回くり返します。
![3本目](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0683-1024x768.jpg)
3本目の差し始め。
![片側完了](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DIAGONAL_0001_BURST20210207165527320_COVER-1024x768.jpg)
片側(3本目)のストランド完了。
反対側も一緒です
![4本目](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/TRIANGLE_0001_BURST20210207165622406_COVER-1024x768.jpg)
4本目はここから。
一番右のストランドをほぐして差し込みます。
![](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0684-1024x768.jpg)
5本目。
だんだん、きつくなってきますが、あと少しです。
![6本目](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0685-1024x768.jpg)
最後、6本目。きついので、ペンチで引き抜きました。
たたいてなじませる
![](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0686-1024x768.jpg)
すべてのストランドを差し終わりました。
![叩いてなじませる](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0687-1024x768.jpg)
ハンマーでたたいてなじませます。
![余ったストランドをカット](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0688-1024x768.jpg)
余ったストランドをカットします。
サンダーでカットする場合は、本体を傷つけないように気をつけます。
玉掛け用には、半差しが必要です
![完成](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0691-1024x768.jpg)
これで、まき差しの4回差しが完成。
玉掛け用には、さらに、1本のストランドを半分に分け、その半分をもう1度ずつ差し込む、
半差し
が必要ですが、今回はチルホール用なので省略。
半差しについてはこちら>>ワイヤーを編んで輪っかを作る【かご差し編】キレイで丈夫
私の経験では、4回まき差しした、アイスプライス部分でワイヤーが切れたことはありません。
たいてい、ワイヤーをしぼった部分で切れますね。
![しぼったワイヤー](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0695-1024x768.jpg)
また、まき差ししたアイスプライスは、玉掛けで一本吊りする際、荷物が回転すると、よりが戻ってストランドが抜ける可能性があります。
まき差しより丈夫な、かご差しについてはまた今度。
さらに、クレーンなどに荷物を玉掛けをするには、
玉掛け技能講習修了証
が必要で、使用するワイヤーロープは、
ワイヤーロープ加工技能士
の有資格者が加工したワイヤーを使うことが法律で定められています。
こちらもおすすめ>>ロープを輪っかに編んで 安全帯のランヤードをDIYする 使用は自己責任でお願いします
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