昨日の午後8時ころのはなしです。
夕方になって、冷え込んできましたので、薪ストーブをつけようかどうか悩んでいた時のことです。
番犬君のジーニーが、やけに吠えていたので外をみたところ、懐中電灯のあかりが、わが家の外に光っていたんです。
番犬ジーニーは誰にでも吠えますが・・
このブログに、何度も出てきている、
御射鹿池(みしゃかいけ)
我が家は、この御射鹿池にのぼる途中にあるんです。
道を聞かれることは数百回。
最近では、この観光客のお財布目当て(ハイ、すいません)に、きのこの無人販売などもしています。
御射鹿池に登る県道を、
湯道街道(ゆみちかいどう)
といいます。奥蓼科温泉郷に登る、街道です。
しかし、この街道には、店はほとんどなく、街灯も少なく、夜にわが家の辺りまで来ると
もう真っ暗。
そんな中を、青年が、スマホの明かりのみを頼りに、歩いてきて、わが家の庭で黒ラブのジーニーに吠えられていたんです。
野宿をするなら装備がいります
この青年、ニックネームは
クマコウ君。
19歳、大学生。
わたしの娘と同い年。
和歌山から、青春18きっぷで、御射鹿池をめざしてきました。
御射鹿池に行くバスは、1日に3本のみ。
茅野駅に着いたころには、最終バスが出た後で、
白樺湖行き
のバスを途中下車して、湯道街道をひたすらに歩いてきたといいます。
バスを降りたのが、もう午後6時くらい。2時間歩いて、最後の民家である我が家に、助けを求めてきたのです。
「この辺りで、とまれるところはありませんか?」
御射鹿池のすぐ近くには、
がありますが、今の時期、営業しているかは不明。
クマコウ君に電話させたところ、休館中。やっぱり。
「野宿でもいいんですが・・」
クマコウ君は、街歩きの格好に、ショルダーバッグ1つの装備。
わたしが薪ストーブを着けるか悩んでいたくらいですので、気温はかなり低いです。
今朝は霜が降りてたっけ。
「そんな装備じゃ、凍死してしまうよ!」
わたしも、若いころ、登山や野宿をしていましたので、それは無理だと思ったんです。
とりあえず、御射鹿池に連れていく
とりあえず、どうしても行きたいという、御射鹿池に連れていくことにしました。
車の温度計はもう2℃。
これから、もっと冷え込むはずです。
我が家から御射鹿池までは車で10分。
あたりは真っ暗で、ほかの車ともすれ違いません。
御射鹿池には、トイレがあり、そこだけ電気がついています。
「トイレで野宿して、朝までここにいるの?」
外にいるだけで、部屋着の私は震えがとまりません。
「野宿は、やっぱりやめます」
クマコウ君はそう言って、暗い御射鹿池の写真を、何枚か撮っていました。
3月に雪が降って、超キレイだった時の写真をのせておきますので、これでガマンしてください。
実は現在、御射鹿池の下流で
水力発電所
が建設中で、水もとめてありますので、湖面もそんなにキレイじゃないんですよね~。
聖地巡礼、原田マハの【生きるぼくら】
なぜ、そこまでして御射鹿池に行きたかったのかを聞くと、原田マハ著の小説
生きるぼくら
を読んで、聖地巡礼したかったとのこと。
「今日は、諏訪の漫画喫茶まで送るから、そこにとまって、明日はその近くの
諏訪大社
にでもお参りして、青春18きっぷで帰りなよ」
しばらく、まっくらな御射鹿池にいましたが、あまりにも寒いのでそう切り出すと、クマコウ君
「はい、そうします。ありがとうございます」
そのまま引き返し我が家の前を通り過ぎ、30分かけて、諏訪インターの近くの
漫画喫茶
まで、彼を送ってきたのでした。
わたしは、19歳の若者を、ここまで駆り立てた、
生きるぼくら
がどうしても読みたくなり、帰ってからすぐにポチったのでした。
【追記1】
泣けました。わたしも、御射鹿池に行きたくなりました(笑)
今朝の気温は
氷点、0℃!
クマコウ君、旅に出るときは、すこしの装備、もしくはたくさんのお金がいるんですよ~。
天空の城ラピュタのパズーも、熱い思いとともに、
♪ナイフ、ランプかばんに、つーめーこーんでー♬
と、準備を怠らなかったのです。
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【追記2】
19歳の青年、クマコウ君から、お礼のメールもいただきました。
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