今日の現場は、石積みの土留めの工事現場。
石を置きたい地中に、巨大な石が出現し、道路の方まで続いているようでしたので、割るしかなさそうです。
石を割るには、
せり矢
という道具をつかいます。
巨大な石も、割ってしまえば楽に移動できます
石を割るのに必要なアイテムは、次の通りです。
- ハンマードリル
せり矢の径と同じサイズのドリルをつかいます。 - せり矢
サイズが何種類かあって、大きいほど強力ですが、穴をあけるのは大変になります。
また、せり矢は最低でも3組必要、多ければ多いほど、石を割るのはラク。 - 大ハンマー、はりまわし、かなてこバールなど
まず、石に穴をあけます
今回使用するせり矢は、34ミリ。
35ミリのドリルで、石に穴をあけます。
振動と、粉塵がものすごいので、交代こうたい、休み休みやりましょう。
割りたいラインに沿って、穴をあけます。
今回のモデルは、ワークマンの上下ヤッケに長靴と、いつものいでたち、ベテラン石職人のGさん(65歳)です。
いつもモデルありがとう。
ドリルに粉塵が詰まってくると、ドリルがかんでしまいますので、たまに引き抜きながら根元まで穴をあけます。
どうしても、ドリルが動かなくなった場合、穴の中に少しずつ水を入れ、ゆっくりと冷やしながら水を満たすと、ドリルを抜くことができます。
穴は最低3カ所あけます
石の大きさにもよりますが、せり矢は最低、3組は欲しいところです。
2本で割れる場合もあるんですが、それで割れなかった場合、せり矢を引き抜くことは困難になります。
3組であれば、どこかの1組が緩んでくるので、引き抜くことができ、ほかの穴に打ち込むこともできます。
せり矢は、外側の受けを2本、根元まで差し込み、真ん中のくさびを差し込んで、セットします。
くさびは、最初はほとんど入っていきません。
あとは石の悲鳴を聞きながら、打ち込むべし
石工職人たちが好んで使う、
はりまわし
という、ハンマーがあります。
参考記事>>ハンマーの柄をグミの木で作る 雑木の有効利用【その2】
石を割るのに適した、日本の伝統的な工具ですが、ハンマーはなんでもいいです。
打ち込む際、柄の部分にせり矢のくさびが当たってしまうと、確実に柄が折れてしまいます。
薪を割る時のように(笑)、
力でなく、ハンマーの重さを生かして、リズミカルに打ち込んでいきましょう。
せり矢が食い込んでいくにつれ、音が変わってきます。
効いてくると、かん高い、澄んだ音になってきます。
最後はあっけなく割れます
かん高いせり矢の音が、急に鈍い音に変化しました。
肉眼では見えませんが、石にひびが入ったのです。
そのまま打ち込んでいくと、ひび割れが開いてきます。
このあと、裂け目にバールなどを突っ込み、せり矢を回収します。
今回は、このてっぺんだけが邪魔でしたので、これでオッケーです。
おっと、Gさん、足の上に石がのってますよ。気を付けてください。
どんなに動かせない大きな石でも、割ってしまえば動かすことができるんです。
こちらもおすすめ>>庭石の動かし方 DIYで石を動かす
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