このブログの伐採記事で、たびたび登場してくる
チルホール
ですが、今回はこの使い方をレポートしたいと思います。
チルホール伐採に必要なものは以下の通りです。
- チルホールT7本体とハンドル
- チルホール専用ワイヤー20m
- 玉掛けワイヤー9ミリ、長さ10メートル
- 台付けワイヤーまたはスリングベルト
- シャックル、滑車(スナッチブロック)など
- 2連梯子など
チルホールは【万能携帯ウインチ】
チルホールは、専用のワイヤーを本体の中に通し、レバーを往復させることで重量物を引っ張ることが出来る、ハンドウインチです。
T7は、最大で750㎏まで引っ張ることが出来ます。
引っ張れる長さは、本体内に通したワイヤーの長さ分だけ引っ張ることが出来、最初のセットには20mのワイヤーが付属してきます。
もう一つ上の、Tu16は、1600㎏まで引っ張ることが出来ますが、かなり重く、伐採で使うには、T7が一番使いやすいです。
特殊伐採の第一人者、和気邁さんも、こちら
のなかで、伐採には主にチルホールは750㎏を使っているといっています。
まずはワイヤーのセット
まずは、伐採するアカマツの、できるだけ高い位置に
玉掛け用ワイヤー
をシャックルで固定します。チルホールが750㎏まで引っ張れますので、それぞれ750㎏以上の耐荷重が必要です。
チルホール専用のワイヤーは高価ですので、直接、伐採する樹木に玉掛けしてはいけません。
こちらが専用ワイヤーのフック。
独特のロックシステムで、簡単に外れない設計です。
これで、樹木の高い位置から、合計30メートルのワイヤーがセットされたことになります。
ワイヤーを伸ばす際、よりがあると
キンク
してしまいます。キンクしたワイヤーは、もう使うことが出来なくなってしまいますので、必ずよりを戻しておきます。
チルホールのロックを解除します。
レバーを持ち上げて、後ろに回します。
チルホール専用ワイヤーは、先が細くなっていますので、ロックを解除してからこちらから通していきます。
うまく通ると、台付けフックの穴から先端が出てきます。
よりを戻しながら、引っ張っていきます。
今回はこのカラマツにアンカーを取ります。
このカラマツも伐採する予定なので、ワイヤーで台付けしていますが、大事な樹木の場合は、スリングベルトを使います。
チルホールは引っ張るのも緩めるのも自由です
ロックを戻し、こちらにレバーを差し込んで往復させると、ワイヤーが張ってきます。
こちら側を往復させると、ゆるんでいきます。
巻くレバーの根元に、安全ピンがあります。
過大な力がかかると、ピンが破断してそれ以上巻けなくなります。
もし、破断してしまったら、ハンドルの中に予備の安全ピンが入ってます。
うまく倒れたらワイヤー類を回収してから造材する
チルホールのワイヤー系統が、30メートル。30メートルの樹木を伐採した場合、玉掛けしたワイヤーが高い位置についてますので、割と先端あたりでけん引した場合、けん引している場所までは樹木が届くことはありません。
参考記事>>伐採する樹木【カラマツ】の高さの測り方
もし、近い位置でけん引する場合は、滑車を使って方向を変えます。
伐採する際、ワイヤー方向に倒さず、少しずらすと、倒れた後のワイヤーの回収が楽になります。ワイヤーを傷つけてはいけないので、回収してから、チェンソーで造材をします。
チルホールの伐採記事>>傾いたクリの木を伐採【上級編】ゼノアG5001Pで切る
>>スチールMS261CMのガンマークを使って正確に木を倒す 伐倒中級編
>>太陽光発電所の支障木「ハルニレ」をチルホールけん引で伐る
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