コロナウィルスで開催が危ぶまれていた御柱祭里曳きでしたが、体調管理とマスク着用で人力による
建て御柱
が無事開催することが出来ました。
木落とし、川越しなど、見せ場のたっぷりあった山出しは、1200年の有史の中で初めてトレーラーで運んだのです。
しかし、建て御柱の場所には、クレーン車がはいれないところも多く、人力でのえい航となりました。
諏訪地域の人々にとって、喜びに包まれた里引きとなったんです。
まずはヨキ(斧)による冠落とし
昨日、人力による曳航で、建て御柱の位置まで運ばれてきた
前宮3
の、御柱。
ヨキ(斧)をふるって、先端を三角錐に切り取る、
冠落とし(かんむりおとし)
が行われます。
斧で切っていくたびに、切りくずが飛び散ります。
私たちの地区のおんばしら、前宮3(まえさん)のおんばしらの木くずは、
安産のお守り
として、拾っていく人が多く、わたしも出産を控えてはいないのですが、もらってきました。
出産を控えている方、欲しかったら差し上げます。
かんむり落としは時間がかかり、お昼頃までかかりました。
人力で丸太を起こすために滑車をつけまくる
建て御柱のために、事前に張り巡らされたワイヤーと滑車の数々。
めったに見ることのない、4連の動滑車です。
後ろの大ケヤキと、手前の杉の交点で控えをとります。
滑車やシャックル、やっぱり、山の中で目立つよう、青く着色されていました。
参考記事>>山の中で目立つめじるし【マーキングテープ】は何色か?
動滑車から出た索道は、ブレーキとしてつけられたキトークリップを通し、人力でワイヤーを巻き上げるウインチ
かぐらさん(車地ともいう)
へとつながっています。
かぐらさんで巻き上げられたワイヤーは、そのままワイヤーリールへと収納されていきます。
4連の動滑車は、御柱の方にも必要ですね。
これはにワイヤーもついていますので、かなり重たいので、小さいチルホールで引っ張ってきて、御柱の先の方に玉掛けします。
いよいよ、索道がすべて設置されました。
御柱の根っこの方には、すでに穴が掘ってあって、ここに落ちていくわけです。
先日、えい航された際に、裏の面が削れているのが見えます。
柱には、建てる際に氏子がのりますので、角材で足場をつけてあります。
いよいよ建御柱が建ちます
♪みなさま~ご無事で~、お願いだ~♬
木遣り歌が歌われ、派手な鼓笛隊とラッパの音に合わせて、建御柱が始まりました。
威勢の良い、氏子のお兄さんたちが、おんべを持って建御柱に乗っかります。
本来ですと、30人ほど乗るんですが、今回は人数制限があって、半分の15人しか乗れません。
それでも、威勢の良い掛け声で、おんばしらを盛り上げます。
何年か前のおんばしらからは、安全帯着用が義務付けられました。
巻き上げると同時に、左右4カ所で、チルホールTU16で左右に倒れないように調整します。
大ケヤキの芽吹く新緑の中、ここまで立ち上がってきました。
垂直に立てば、建て御柱は完了となります。
御幣(ごへい)を先端に固定し、山の巨木が、神様となりました。
また7年後に会いましょう。
今回の御柱祭は、観光客などは境内に入れず、氏子のみのお祭りとなりました。
次のおんばしらは、この日から数えで、7年後、2028年の申年に開催されます。
そのころには、前のおんばしらではコロナや戦争なんてあったな~、と、平和な年になっているように願ってやみません。
【追記】
この日、同じ境内の前宮1の御柱で、危うく事故になりかけた事例があったようです。
こちらもおすすめ>>あたらしい【はっぴ】が届いたけど、御柱祭山出しは曳航中止
コメント
テレビで拝見させて頂きました。
三角錐にしたら、杭丸太みたいですね。
ウラジロモミって原木を原木に使用しているんですね、勉強になります。
7年に一度のお祭り、大変お疲れ様でした♪
山崎木材さま
御柱祭は7年に一度。
自分も歳をとりますし、前回には威勢の良かったあの人が事情がかわって参加できなかったりと、諏訪の男たち(女もですが)の節目のお祭りでもあります。
私は今回は、成人した娘と参加しました。
この子が小さいときには木落としに乗ったりもしましたが、もうそんな元気はありません(笑)
娘も楽しかったようです。