蓼科の別荘地には、白樺を植えるひとが多いです。
でも、成長が早い樹木ですので、すぐに大きくなります。
すると、倒れてくるかもしれないので、頭の方をせん定して短くしてほしいという人が多いんです。
思い入れがあるとは思うんですが、あまりお勧めはできません。
白樺は下から【胴ぶき】あまりしません
こちらは、頭をせん定してから数年たった白樺です。
せん定したあたりから、新しい枝が芽吹いてきて、頭の方にたくさんの枝があり、
頭でっかちな白樺
になっています。
幹の途中から、新しい芽が生えてくることは、ほとんどありません。
これでは、植木としての白樺の爽やかな印象が、あまりないと思うんです。
さらに、白樺の材は比較的柔らかく、頭が重いと、大雪などで曲がってしまう恐れがあります。
参考記事>>台風で倒れやすい樹木 危険な木ワースト5
造園技師としてのわたしの意見はともかく、オーナーの希望はせん定でしたので、手ノコ
サムライ一番
で、言われた通りにせん定します。
まだまだ寒く、芽が少し膨らんできた程度ですが、切り口からは樹液があふれ出てきました。
この樹液は飲めるそうで、ほんのり甘いとか。
メープルシロップみたいなものでしょうか?
ついでにミズナラもせん定
白樺の横の、ミズナラもついでにせん定。
高さ10メートルくらいに抑えます。
白樺に比べれば、ナラは比較的胴ぶきもしてきますが、枝が多いこのミズナラを、高い位置でせん定するのは骨が折れます。
高所作業車で作業したんですが、料金はそれなりにかかってしまいますよね。
同じお金を使うのなら新しく植えたらどうですか?
実はこのお宅、
薪ストーブ
が設置してありまして、オーナー自ら斧をふるって薪を割っているのです。
であるならば、今回せん定した白樺やミズナラは、一度
伐採
してしまって、新しく植木として白樺やミズナラを植えたらいいと思うんですよ。
伐採した丸太は、薪にして有効に利用、伐採後の切り株からは、
萌芽更新(ほうがこうしん)
の、新しい芽が芽吹いてきますので、これを間引いたりすれば、キレイな株立ちの庭木にすることだってできるんです。
ただし、これには10年くらいはかかりますので、その間さみしいようなら植木屋さんに植えてもらえばいいですよ。
どっちみち、お金はかかるんですから。
とはいえ、全部切ってしまえば、夏の涼しい木陰がなくなってしまいます。
このあたりのバランスが難しいところではあります。
こちらもおすすめ>>家の近くの白樺の枝払い 全部切ったほうがいいんじゃないかな~
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