今回の伐採現場は、電線の方に相当傾いたクリの木。
厄介すぎます。
厄介な木はどうします?
こんな時、やり方としては、
- 特殊伐採で、木に登っていって、上の方の枝から細かく切り落としていく。
- チルホールなどで、倒れ方をコントロールし、倒す。
- クレーンで玉掛けし、吊り上げる。
などがありますが、一番コストがかからないのは、倒すことです。
特殊伐採で刻んでくるのも悪くないですが、
時間=コスト
がかかるんです。
今回の現場では、倒す場所がありますので、なんとか倒したいと思います。
電線の近くで伐採するときは、防護管をまいてもらう
電線の近くでの伐採が決まったら、電力会社に
防護管
の設置をお願いします。中部電力では、無料でやってくれます。
こうすると、枝が接触して感電!
なんてこともなくなります。かといって、防護管に木をぶつけてもいいわけではありませんが。
追記
2021年ごろから、中部電力パワーグリッドの防護管の設置は有料となりました。
チルホール2台で倒す方向をコントロール
今回はチルホール2台で、倒す方向をコントロールします。
使ったのは、チルホールT-7。
けん引能力700㎏です。
2連はしごで上っていって、ワイヤーを2本かけます。
一つ目は倒す方向に、もう一つは倒したくない方向の反対に
一本目のチルホールは倒したい方向にワイヤーを張ります。
こちらは、木が倒れてくる方向ですので、長めにアンカーをとります。
もう一本のチルホールは、倒したくない方向の反対側にワイヤーを張ります。倒したい方向のワイヤーと直角くらいの角度がいいでしょう。
このワイヤーは、地上を水平にみたとき、45度の角度でアンカーを取ります。
こうすることで、このワイヤーは、その正三角形の角度を保ったまま
- 伐採する木の根元、これからチェンソーで切るところ
を直角として、 - ワイヤーを玉掛けしたところ(45度)
- チルホールのアンカー(45度)
の三角定規のように、倒れる木と一緒に、たおれていきますので、
このワイヤーが移動する間の障害物
は、すべて切っておかなくてはなりません。
もちろん、人間もここにいてはいけません。
このワイヤーは、切る前にきつく張っておきます。
準備ができたら切ります
基本通り受け口を切ります。
ガンマークで伐倒方向を確認。
追い口は、倒したくない方向が先に切れるように斜めに切っていきます。
倒したくない方を先に切るのは、怖い感じがするのですが、こうすることでチルホールで控えを取っている方のツルが余計に残るんです。
倒したくない方に傾いているわけですので、先にチルホール側を切っていくと、傾いている方に
バキン!
と言って、裂けてしまうんです。
いつもの倍はツルを残して、あとはチルホールで引っ張り倒す
ツルを大きめにとったら、倒したい方向のチルホールを巻いていきます。
控えのチルホールは、緩まなければそのままでいいです。
バキバキと音を立てながら、ゆっくりと倒したい方向に傾いていきます。
最後は、バキンと予定通りに倒れていきました。
控えのチルホールは、この時点でかなりの荷重がかかっています。
裂けあがっている方が、チルホールで控えを取っていた方です。
こちらのツルをかなり残してありましたので、最後は裂けていきました。
材としてはよくありませんが、もともとかなり曲がっていた木ですし、今回は安全に倒すことが目的ですので
結果オーライです。
直径は42㎝ありました。
切るというより、安全に折る
という感じでしょうか。
ゼノアG5001Pは、しぶいチェンソーです
今回の伐採は、助っ人で切りに行ったので、K君のゼノアG5001Pを借りて切りました。
このチェンソーはゼノアの歴史の中で、常にフラッグシップモデルとして君臨していましたが、現在はG5200Pがラインアップされています。
形も、コマツゼノア時代からほとんど変わってない、ビンテージバイクのようなチェンソーです。
最近のチェンソーにはない、渋い排気音が魅力的です。
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