今回穴あきパイプを埋設するのは、こちらの駐車場。
合併浄化槽の上を、駐車場として利用している店舗なんですが、浄化槽の高さより、あとから色々つけ足した設備などの方が高くなってしまい、慢性的に水がたまるようになっていました。
冬には、この水が凍ってスケートリンクになってしまい、お客さんも危険にさらされていたんです。
まずはパイプが埋設できる高低差があるか測量
まず、排水パイプを入れて、排水できる勾配があるか測量します。
水がたまるところと、排水が可能な(側溝など)出口の高低差を、
レーザーレベル
で測量します。
そもそもこの高低差がほとんどない場合、パイプによる排水工事は不可能で、その場合は表面排水を改良したほうがいいんです。
今回の高低差は62㎝ありました。
排水可能ですので、工事となりました。
レベルが無い場合
高低差を測るのに、プロはレベルで測量するんですが、ない場合は
水平器と水糸
で測りましょう。
始点と終点に杭などを打ち、水糸を、なるべくたるまないようにぴんと張り、水糸の真ん中あたりで水平器で水平になるように杭の水糸を調整します。
水平になった時の、それぞれの地面から水糸までの高さの差が、高低差となります。
このやり方で水平レベルをとってみて、あとからレーザーレベルで測量したところ、
プラスマイナス1㎝
以内に収まっていましたので、DIYレベルでは十分測量可能と感じました。
パイプを通したいところの全長を測ります
高さを測る場合は、最短距離で測量すればいいんですが、
排水勾配
を決定するためには、パイプを通したいラインに沿って、全長を測ります。
今回は、浄化槽の際が10メートル、そこから折れて、道路までが12メートルで全長22mでした。
材料を準備、有孔管と無孔管
全長は22mでしたが、水がたまるところは10メートルの浄化槽の際だけです。
塩化ビニル管、VU75の穴あきパイプ(全長4メートル)を3本準備。こちらには、もともとパイプをつなぐジョイントがついています。
それ以外のところは穴なしのVU75を3本で、こちらにはジョイントが無いので、ストレートのジョイントを2本と、折れ点がありますので45度のエルボをひとつ。
目詰まり防止に、カラリヤン土木ネットを1ロール。
塩化ビニルパイプを、ふつうののこぎりで切断すると、途端に刃が切れなくなります。
専用のノコギリ、
パイマン
も準備。
排水勾配を計算します
凍結の心配と、上を車が通りますので、塩ビパイプは一番浅いところでも、
20㎝
は埋めたいところです。
VU75パイプの直径は75㎜ですので、パイプの始点を30㎝掘削すれば、パイプの頭まで22㎝ほどの砕石が入ります。
すると、62㎝あった高低差が、この時点で32㎝しかなくなってしまいました。
この32㎝を、全体の長さで割ると、
0.32÷22=0.015で、1.5%の勾配となります。
1メートル進むと、1.5㎝下がっていくわけです。
塩ビパイプ1本は4メートルですので、1本で6㎝ずつ下がっていくことになります。
浄化槽のコンクリートがほぼ水平でしたので、ここから何㎝下がるのかを、チョークで書いていきます。
正確に掘っていきます
バックホウで、正確に掘っていきます。
バックホウで掘ると、バケット幅に掘れてしまい、その分、砕石が掘った分は入ってしまいますね。
もちろん、人力で均して、ビミョーな高低差を仕上げていきます。
穴あき管の終点は、45㎝の深さ。
10メートルで、15㎝ほど深くなってきたわけです。
穴なし管部分も同じ勾配で掘る
穴なし管が入る部分も、同じ勾配で掘っていきます。
こちらには基準がありませんので、レベルで測りながら掘っていきます。
計算通り、終点の高さが、道路の高さと同じになりました。
ここから、道路に排水させるんです。
穴なし管の方は、接続したらすぐに埋め戻し。土と砕石で転圧しながら埋めていきます。
カラリヤンネットを張って単粒砕石で埋め戻し
掘削した側面に、カラリヤンネットを張ります。
単粒砕石で地面の高さから10センチまで埋め戻し、さらにカラリヤンネットを敷きます。
さらに、単粒砕石で埋め戻し、平らになるようにプレートコンパクターで転圧します。
完成、早く雨降らないかな♪
完成しました。
砕石の粒の大きさと色がちがいますので、見た目はちょっとアレですが、お客さんが転んでけがするよりはいいと思います。
気になるようなら、化粧砕石を全体に薄く敷きならすとといいですね。
お金はかかってしまいますが・・
雨が降ったら、排水溝から水が出ているか、早く見に行きたいなー。
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