何年かに1回、仕事でコンクリート製の桝を作る必要にせまられます。
そのたびに、忘れていますので備忘録としてブログに書いておきます。
職人の中では、大きさにもよりますが、型枠の基本が詰まっていますので、
桝を1人工(1人で1日)で作れたら一人前
などといわれています。
これができれば、鉄筋コンクリートの家も建てられますよ。
コンクリートで何かを作りたい人の参考になれば幸いです。
丸ノコでコンパネの切断は裏側から
コンクリートを流し込む、型枠用材を、
コンパネ
といいます。今回は、仕上がりのきれいな、化粧合板を使います。
コンパネを切断する際は、コンクリートが触れない裏面に墨を打ち、さしがねの親分みたいな治具を使って切ると、コンクリートもきれいに仕上がります。
まずは内枠、ばらしやすいようにセパレートで
型枠を作る際、常に考えなくてはならないのが、コンパネの厚みです。
コンパネは、12ミリあるので、正方形を作りたい場合、内側に入るほうは、
24ミリ
小さく切断します。
桝の内側に、一枚のコンパネで型枠を組むと、中は狭いのでばらすのが大変です。
2枚を張り合わせて作ったほうが、線がついてしまいますが、ばらすのはラクです。
今回の桝は、3面に開口部の役物がつくので、何にもつかない方を最後に組み立てることにします。
丸セパレーターの穴を、仮枠ビットであけます。
この時は、丸ノコとは反対に、表面からあけたほうがキレイです。
ピーコンをつけた丸セパに、ホームタイをねじ込みます。桝の厚みは15㎝。
セパレーターが、厚みを決定します。
ホームタイに、桟木(さんぎ)を締め付けていきます。
桟木よりも、単管パイプの方が、強度はありますね。
今回の桝の開口部は、ヒューム管、U字溝、湧水パイプ。
完成してから入らないと困るので、それぞれ少し大きめにつくってあります。
最後に、なにもつかない方の型枠をつなぎ、内枠は完了。
対角線を測って、同一の長さになっていれば、正方形になっていますよね。
後からだと狭くて釘が打ちづらいので、桝の仕上がり高さに、面木(めんぎ)を打っておきます。
鉄筋を組む際は、この段階で配筋します。
設計にはなかったんですが、桝を吊りこむ際の強度に不安がありましたので、13ミリの鉄筋を配筋しておきます。
外枠を組みます
外枠をセパレーターに押し付け、ハンマーでたたけば、穴の位置が簡単にわかります。
もちろん、設計した位置にあけるのが基本ですが・・
今回は、常に水が流れている現場に、吊りこんで設置したいので、内枠を15㎝浮かしてあり、中から噴き出たコンクリートで、底の部分も一体成型します。
後から吊り上げられるよう、鉄板の上で、コンクリートを打ちたいと思います。
外枠も、ホームタイをつけ、桟木で締め上げれば完成。外枠の外側に来るコンパネは、長めに切断しておきます。
コンクリートの圧力で、型枠がばらけないよう、チェーンとターンバックルで軽く締めておきます。
生コン打設、締め固め、養生
生コンは、
18-8-20BB
を打設。バイブレーターで締め固めます。
- 強度18KN(材令28日の圧縮強度)
- スランプ8(生コンの柔らかさ、8は固いほう)
- 骨材のサイズ(20は小さいほう)
- BBは、高炉セメント、強度・耐久性が高い
コンクリートは、奥が深く、いっぱい勉強しないといけません。
3月ですが、凍らないように投光器で加熱。寒冷地では、コンクリートが凍らないよう、細心の注意が必要です。
投光器で照らされているところが、浮いている内枠から噴き出したコンクリートの床面です。
さらに、ムシロをかぶせて、ブルーシートで養生。
ばらしてみます
高炉セメントは、9日経ってから型枠をばらします。たくさんくっつけたものを、反対にばらしていきます。
めんどくさいですねー。
外枠をばらすと、ぴかぴかのコンクリート面が出てきました。
今回の作業の中で、
いちばん幸せな瞬間(笑)
プラスチックのピーコンは、ピーコン回しで外します。
ピーコンの穴に、モルタルをモッコンごてというコテで詰め込みます。
ペットボトルのフタでもOK。
内枠もばらします。
この時、キチキチに作ってあると、てこずることになります。
現場に吊りこんで、開口部にいろいろ接続。
もう一回、コンクリートを打つんです。
めんどくさいですねー。
ようやく完成。水を流します。
田植えまでに間に合ってよかった♬
大きな型枠も基本は一緒
大きな建物も、大量の資材、道具、時間が必要ですが、
基本は一緒です。
鉄筋、吸排水の配管、電気の線、やることがたくさんあって、大変です!
結局、1人工で1人前の、桝の型枠に、私は丸2日かかってしまいましたので、
まだまだ半人前
ということになりますね。
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