今回の伐採現場は、別荘地のカラマツです。反対側に建物があって、そちらにさえ倒れなければ危険のない現場です。
念のため、チルホールでけん引します。
まずは受け口をつくります
受け口とは木を倒す方向に35度から45度の切り込みを入れることをいいます。
参考記事>>伐採の方法 初級編 スチールMS261C-Mで直径85㎝のカラマツを倒す
この際、三角の交わる交点(会合線)にチェンソーのバーを当てて、ガンマークで方向を確認します。
スチールMS261CMのガンマークはここです。
このチェンソーの45㎝スタンダードバーは、切削中の抵抗を低減するため、いくらか湾曲していますが、真ん中で合わせます。
写真は倒れた後ですが、受け口を作った時点で確認します。
山の中では見通しの良いところばかりではないですが、なにか目標物を定めましょう。
今回は遠くにある重機のアームに目標を合わせました。
追い口を切るときもガンマークで確認
こちらは反対側のガンマーク。
スチールMS261CMのガンマークは、チェンソーの頭にも入っていますね。
こちらも倒れた後ですが、これを追い口を切る間に何回か確認します。
このまま切り進み、直径の1割くらいの切りのこしを作ります。これが
ツル
です。
必ず残してください。
チルホールでけん引、正確に倒れました
倒れた後の切り株を見てみると、ささくれ立っている部分があります。
これがツルです。
しつこいようですが、切りきってしまわないでください。
私が初心者だったころ、これを残さず、風が吹いただけで真横に木が倒れてしまい、フェンスを破損させたことがあります。
幸い、けがもなく、フェンスは赤字仕事で直しましたが、この失敗が常に頭の中にフラッシュバックしてくるんです。
きっと一生忘れないでしょう。
ですので、木を切ったあとの検証は必ず行っているのです。
こんな切り方はやめましょう
こちらは直径40センチくらいの赤松の切り株。
赤松は材に粘りがなく、ぽっきりと折れることもあります。
ツルが全く残っていないですねー。
原因は受け口の水平切りの部分の切りすぎですね。
チェンソーは、水平切りの方が刃が食い込みやすいので、斜めに切るときよりも思ったより切れてしまいます。
会合線がぴったりとそろうように訓練するしかないですね。
この赤松の例では少し木が傾いた時点で、薪割りのように木が割れて倒れていったのでしょう。
倒れる方向さえ間違っていなければ、うまく倒れたような気になって、失敗するまで気づかないのです。
ここに慢心があるのです。
こちらは山で見かけた直径60センチくらいのカラマツの切り株。
まず、受け口か大きすぎます。木の芯まで切れちゃってます。
追い口の高さもチョット低いです。5㎝くらいです。
追い口は直径の2割くらい上がいいですね。この場合は本来は12センチくらいです。
さらに、奥の方のツルが残っていません。
ツルの残し方を斜めに残し、倒れる最中に木を回転させるという高等技術もあるんですが(この写真の場合は時計回りに回ります)、やめた方がいいでしょう。
60㎝の直径を一回で切っているので、かなり大きなチェンソーを使っているようですが、事故が起こらないことを祈るばかりです。
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