出来上がった井戸は、斜面にコンクリート製のヒューム管が突き出る形になっていて、なにかで土留めを作る必要がありました。
丸太と杭で土留め工を作る
最初は伐採した直径10㎝くらいのカラマツの皮をむいて、チェンソーで先端を尖らせ杭にし、これを何本か打ち込み、その裏側に同じカラマツを横に積んで、針金で縛って土留め工としました。
出来上がってすぐにはログハウスの壁みたいでとてもきれいでしたけど、2年もするとカラマツが腐ってきて、アリなどの虫も湧いてきました。
飲料水にしている井戸なので、これは気持ち悪いですねー。
そこで、ポンプが壊れて入れ替えるのを機に、永久的な素材で周りを整備することにしました。
石積みのランドスケープ
世界共通、長持ちしている土留め工は、石積みですね。
世界遺産、国宝、みんな石積みなんです。
なので、石を集め始めました。毎日、通勤途中や休日などに石を拾いあるきます。石を切ったり、割ったりはとても大変そうに思えたので、なるべく平らっぽい石を集めました。
幸い、山の中は石だらけです。拾ってきてもだれにも怒られません。しかし、丸い石は結構あるのですが、角ばった石は意外とないものですね。これは土地によって違うのでしょう。
何はともあれ結構な量があつまったので、石を積み始めました。一番下には砕石を30㎝敷き詰めて、枕木で叩いて固めていきます。
その上にモルタルを軽く置いて、石を置いて、石頭ハンマーでコンコンと密着させていきます。次に乗せる石は目地がまっすぐ縦にならないように積んでいくんです。レンガや城壁の石積みをみるとみんなそうなっていますね。そのほうが強度があるからです。
モルタルは、砂とセメントの混合物で、これに砕石が混ざったものがコンクリートです。
なんだか、専門業者にしかできないイメージがあるけれど、やる気さえあれば簡単にコンクリートはつくれるんです。そして、驚くほど安く仕上がるでしょう。
砂があれば、セメントは1袋400円くらいなので、最初から砂が混ざっている”インスタントセメント”よりも安くできます。
砂は河原なんかにあるけど、勝手にとると怒られるかも。そーっともらいましょう。海の砂はやめたほうがいいですね。
砂をバケツなどで3杯、セメント1杯が標準的な混合比です。水を混ぜる前にこの混合物をスコップなどでよく混ぜ合わせ、そのあと水を少しずつ足しながら少し硬めに練っていきます。
気温にもよるけれど、モルタルは1時間もすると硬化してくるので、使う量を様子を見ながら練っていきましょう。お昼ご飯や一服をする前には道具は水洗いしたほうがいいでしょう。
ある程度の高さまで積めたら、はみでたモルタルをかき落して、ハケなどで目地を洗っていくとキレイに仕上がります。
石を1つ1つ削ったり叩いたり成形して、密着する面積を増やして積んでいけばモルタルなんか使わなくても頑丈な石積みはできます。コンクリートがなかった時代はそうやっていたし、今でも石積みのプロはそうしています。
しかし私にはその時間もないし技術もないので、モルタルによって石積みを完成させました。石積みの裏側にもモルタルを詰め込んでさらに強度アップをねらいます。
専門的にはこのやり方を”練り石積み工”といいます。
そして完成
井戸のまわりと深井戸用ポンプのコンクリートますの周りに、石を積んで土留めが完成しました。
これは上から見たところ。ヒューム管のほうに配管が2本伸びているのが見えます。浅井戸なら1っ本でいいはず。深さが12メートルもあって誰かが落ちてもいけないし、いたずらされるのも嫌なので、ステンレス製の鎖でカギをかけています。
また、ポンプのふたのほうにはスタイロフォームという発泡スチロールをはって、保温性を高め、冬場の凍結防止をはかりました。配管のほうには凍結防止ヒーターも巻いてあります。
石にコケが生えたりして、もう何百年もそこにあるみたいでしょう。
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