テレビ番組で、田舎に移住して、
悠々自適、晴耕雨読、ロハスでスローなライフ、人生は楽園だ
みたいな生活を送っている人々の特集をよくやっていますね。
会社を定年退職した後は、田舎暮らしをしたいと思っている都会暮らしの人も多いと思います。
最近では、テレワークが可能な会社も増えていて、ますます田舎暮らしに注目が集まっているのではないでしょうか?
私も、妻は地元の出身ですが、埼玉から信州に来た人間なので、移住組とみられているフシがあります。
都会には都会の、田舎には田舎の、それぞれメリット・デメリットはあると思いますが、私が住む
超・ド田舎
の、風習・慣例といったものを紹介したいと思います。
限界集落株式会社、茅野市笹原区
八ヶ岳のふもとの街、茅野市の高齢化率は約30%ですが、その中でも私の住む笹原区は、
高齢化率45パーセント
と、茅野市の中でもトップクラスを突っ走っています。
年齢が65歳以上の高齢者の割合である高齢化率、50パーセントを超えれば、限界集落と言われていますので、あと少しです。
そんなリーチのかかった集落の、村のおきてを紹介します。
村の掟 その1 共同作業には出席せよ
全国の農村地帯に共通することだと思いますが、村の(田舎では、いわゆる市町村のムラ、ではなく、自分の地区のことをムラということが多い)共同作業である、
出払い(でばらい、訛ってデバレー)
は、非常に大事な業務になります。
各、伍長さんに回覧が回ってきて、組下へと配布され、全世帯が招集されます。
ちなみに、伍長さんとは、豊臣秀吉が制度化した
五人組!
の長のことで、数軒単位の連帯責任・相互扶助・相互監視を取りまとめていて、この組から除外されることを
村八分
と、いうんでしたっけ。
歴史の授業ではありません。令和の話です!
令和の現在、村八分を行なうことは差別となりますので、ないはずです。
しかし、出払いに出席しないと、
出不足金
が徴収されることになります。わが村では6000円です。罰金としては、高いです。
でも、出席すると、日当がもらえることもあります。ごほうびです。
作業内容は、砂利道の道なおし、用水路の泥上げ、草刈りなどになるんですが、高齢者は作業を免除もされます。
高齢者といっても、役所の統計の65歳以上ということではなく、ムラ独自に、なんと
80歳以上は免除!
となっていますので、移住する際にはご注意ください。
参考記事>>大雨でも草刈り 田舎暮らしの共同作業
村の掟 その2 草刈は道路までやってよねー
農村に移住をして、自給自足をしてみたい、という人も多いと思います。
わが集落には、田畑を貸したい人、借りたい人をあっせんする制度もあって、農業をやりたい人には割と親切な対応があると思います。
写真のような田んぼを借りた場合、借りた田んぼを草ぼうぼうにしておくことはもちろん許されませんが、そのほかに、
用水路が近くにある場合は用水路まで、
用水路の先に道路がある場合は、その先の道路まで、
草刈りの義務が発生します。斜面の草刈りは大変です。この重労働で、ニッポンの田園風景は維持されているんです。
ちなみに、山間地の田畑の場合、お隣さんの下の田んぼに草を落とすことは
村八分にされるおそれ
がありますので、境界の位置と草の刈り方には気を付けましょう。
参考記事>>通学路の草刈り 田舎ぐらしの通学事情とボランティア
茅野市の市民農園も、わが笹原区にあります。
村の掟 その3 御柱年には結婚するな
これは、ムラ、というより、諏訪大社の氏子である、諏訪周辺の人々に言われていることで、
7年に1度、諏訪大社の御柱祭の年には、結婚などしてくれるな、
という意味です。
そんなバカな、と思われるかもしれませんが、実際に私が、この集落出身の妻と結婚するときに言われましたので、確かです。
諏訪地方の人々の、御柱祭にかける情熱は、想像を絶していて、お祭りの2年位前から、そわそわしだし、実際のお祭りの年になれば、一年中、お祭りをしています。
もちろん、仕事なんかしているヒマはないんです。
ですから、お金がかかる結婚式なんて、もってのほか、ということなんです。
まとめ 虎の穴よりきびしいけれど・・
戦争のために、鉄を集めていた、諏訪鉄山。わが集落の近くにあったんですが、
学童動員
など、昔から共同作業や、厳しい村の掟があったようです。
現在も、細かいことをいえば、もっといろいろな
村の掟
は、存在してはいます。
でも、一緒にデバレーで作業しているお年寄りたちは、みんな元気でパワフル。
年を取ってから、やることがなくて、老け込んでいるヒマはありません。
長野県民の平均寿命が長いのも、こんなところに秘密があるのかもしれません。
こちらもおすすめ>>御射鹿池の草刈り 観光客の皆さんお邪魔しました
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