今日は近所の神社の伐採。
使う刃物をまずはお祓い。
いつものことですが、失敗は許されません。
ばね付きのフックは、外れることがある
今回の伐採では、チルホールでけん引して伐採します。
倒す樹木の高い位置に、ワイヤーを、
シャックル
で固定し、そのワイヤーをチルホールで引っ張って、倒したい方向に伐倒します。
シャックルを使わず、
ばね付きフック
を使ったことがあるんですが、引っ張っている最中に、フックが外れて、危うく大惨事になりかけたことがあります。
ばね付きフックが外れるメカニズム
これが、ばね付きフックです。
TAIYOフック、0.5トンタイプ。
クレーンでの吊るし切りでも、チルホールけん引でも同じなんですが、正常に荷物が吊られているときは問題ありません。
問題は、荷物が地上についたり、引っ張っている樹木が、引っ張っている以上に倒れ始めたときに、
荷重が抜ける
事があります。
すると、ワイヤーの輪っかは、フックの上の方にずれることがあります。
そのあと、再びワイヤーが引っ張られたときに、ばねとフックに先端にワイヤーが入り込み、このまま外れます。
木を倒している最中に、フックが外れたからといって、途中でつけなおすことはできません。
クレーンで吊っていたとしたら、木はどこに倒れていくのかわかりません。
このように、不用意にワイヤーが外れないよう、チルホールの専用ワイヤーでは、独自のロックシステムとなっています。
また、TAIYOフックにも、ロック付きのものがあり、重量物を吊り上げる際には、ロック付きを使うことが多いです。
でもクレーンのフックはばね式
ユニック車やクレーン車のフックも、
ばね式フック
が、多いです。
クレーンのオペレーターや、玉掛けをする有資格者は、ばね式のフックが外れることがあることを理解していますので、
吊り具自体が重いもの
を使用し、不意にワイヤーが戻らないように作業しています。
シャックルでも外れることがあります
写真は、シャックルの間違ったつけ方になります。
写真では白樺の枝一本をかけていますが、例えば、
株立ちの樹木の全体に
このようにかけたとします。
この状態で引っ張っていくと、シャックルのピンの方のワイヤーが、しぼられていくんです。
その際に、
ピンには回転する力が生じますので、
ネジ式のピンは、ゆるんで外れてしまうんです。
正しくは、このようになります。
ワイヤーの輪っかの方を、シャックルのピンの方につけ、ながいほう(動索)を、U字型の方になるよう、取り付けます。
同じ大きさのシャックルでも、耐荷重が倍以上ちがうものがあります。
上のものが鍛造品、1.3トン、下はなまし鉄、0.8トンになります。
伐採作業には、想定外の力がかかることがありますので、鍛造品の耐荷重の大きなものを使っています。
また、シャックルにも
ロック付き
のものがあり、クレーンのオペレーターは、いつもロック付き使っています。
フックでなく、ここにロック付きのシャックルでとめれば、絶対に外れることがありません。
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