太陽光発電所の工事現場で、荒れ果てた不耕作地に生えている実生木を伐採しました。
その中に、白樺の株立ちの実生木がありました。
株は3本立ち。
白樺の幼木は、幹が黒いものが多いんですが、この株立ちは小さいわりに幹が白くなりかけていて、3本のバランスもいい。
そのまま切ってしまうのが惜しくなり、私が救出してあげることにしました。
植える場所なんてないんです
![ここに植えよう!](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5321-1024x768.jpg)
文豪ヘルマン・ヘッセによれば、
木を植えてよい庭を作るのは容易ではない。
一国を統治するのと同じくらいむずかしい。
完全でないものも愛する決心をしなくてはならない。
ヘルマン・ヘッセ 庭仕事の愉しみより
私の庭は、樹木だらけ。
もう、植える場所なんてないんです。
植える場所がないのに、植物を手にもって、行ったり来たりしている人間のことを、
ガーデナー
と呼ぶんだそうです(笑)。
シャクナゲの手前に、何も植わっていないスペースを発見!
ここしか、植える場所はなさそうです。
スコップで掘り上げる
![白樺の根っこ](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5315-1024x768.jpg)
針葉樹、落葉樹、また、常緑の広葉樹でも、植物の移植に適した時期は、
萌芽前
となります。
白樺(落葉樹)はこのあたりでは、5月の中旬には芽吹いてきますので、
梅雨時期
では、遅すぎます。
植木屋さんで売っている、
根巻き
をした植物では、移植は割りとカンタンですが、梅雨時期くらいが限界でしょう。
今回のように、自生の植物を掘り上げる場合、
根回し
と言って、何年かかけて移植を計画するのですが、今回はやむを得ず、掘り上げてすぐに移植してみます。
掘ってみると、上の層は黒土、下の層が赤土で、その境から根っこが簡単に分離して、いい感じに掘り上げることが出来ました。
![白樺を運ぶ](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/HORIZON_0001_BURST20220621172628651_COVER-1024x768.jpg)
幹の長さは3メートルくらい。
ちょっとだけ、はみ出てしまいました・・
植え込みは【水極め】で
![植穴を掘る](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5329-1024x768.jpg)
ユリとか、いろんな植物がありますので、気をつけて植穴を掘っていきます。
わが庭の土は黒土で、植物の生育には適しています。
![水を張る](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5331-1024x768.jpg)
根っこより少し大きな穴が掘れたら、そこに水を張って、泥を作ります。
そう、田んぼのようなところに、植物を埋め込んでいくイメージです。
水極め
と言います。
![ドボーン](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5334-1024x768.jpg)
根っこを落とし込みます。
周りの土をさらに泥にしながら詰め込んでいきます。
方向をかえたい場合も、浮力で簡単に回すことが出来ます。
![水鉢](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5336-1024x768.jpg)
最後に、まあるく土手をつくり、
水鉢
をつくって、水をたくさん注ぎます。
さらに隙間がある場合は、棒などでよくつついておきます。
支柱は必ず添えましょう
![八つ掛け支柱](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/HORIZON_0001_BURST20220622070350086_COVER-1024x768.jpg)
このように木を植えた場合、簡単でもいいので支柱は必ず添えましょう。
風などで倒れないようにするのはもちろんですが、風で揺れて、
新しく生えてきた根っこ
がちぎれてしまうのを防ぐためです。
ほうが時期には、根っこも盛んに伸びてきます。
この新しい根っこを保護してやるんです。
![竹に切り込み](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/HORIZON_0001_BURST20220622063845233_COVER-1024x768.jpg)
今回は、竹を3本やぐらに組む、
八つ掛け
としました。
竹は滑るので、切り込みを入れ、
![杉皮の代わり](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5337-1024x768.jpg)
植物側には杉皮を巻いて保護して、シュロ縄で縛ります。
杉皮が無かったので、薪の皮を巻きました。
1本の支柱に対し、2カ所以上、枝か支柱に結んでいきます。
株立ちの場合、この時に、株がカッコよく開くように縛り付けていきます。
![やらず杭](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/HORIZON_0001_BURST20220622064527022_COVER-1024x768.jpg)
最後に竹を節止めして短く切り、支柱に留め杭(やらず杭)を針金でとめれば完成。
森の中が【もっと】森になった(笑)
![森をつくる](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/DSC_5340-1024x768.jpg)
どうしてこんなに植物を植えてしまったんでしょう。
シャクナゲが見えないじゃないか!
![反対側の白樺](https://hayasaru.com/wp-content/uploads/2022/06/HORIZON_0001_BURST20220622173102300_COVER-1024x768.jpg)
実は、反対側にも白樺を植えてあって、もう10メートルくらいに育ってます・・
だんだんと、うっそうとしてきましたよ。
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